スクリーンショット 2019-03-26 11.28.06
パリのシャンゼリゼ通りで16日、抗議デモが起きた際に燃やされたキオスク=AP/朝日新聞


フランスのマクロン政権が「デモ規制法」を成立との話。

確認しておきたい。
黄色いベスト(ジレジョーヌ)のデモは、ごく普通のデモなのだ。
ここに暴徒(カッスール)が紛れ込んで、暴動を繰り広げる。

しかしマクロン政権が規制したいのは、本当にカッスール”だけ”なのか?





朝日新聞 19日 シャンゼリゼから暴徒排除へ フランス、デモ規制を強化
 フランスのフィリップ首相は18日、反政権運動のジレジョーヌ(黄色いベスト)のデモに対する規制を強化すると発表した。パリ中心部のシャンゼリゼ通りなど政府が指定した場所では、暴徒が確認された場合、デモを解散させる。

 16日の抗議デモには暴徒が交じり、シャンゼリゼ通りの高級老舗カフェやキオスク、ブランド服飾店が放火や略奪に遭い、マクロン大統領が規制を強化する考えを示していた。治安悪化を防げなかったとして、パリ警視庁の警視総監も更迭する。

 シャンゼリゼ通りは11月にジレジョーヌ運動が始まって以来、毎週土曜にデモ参加者が練り歩く象徴的な場所。政府は、仏南西部ボルドーなど地方都市でも運動拠点となっている地区で同様の措置を取る。政府が禁じたデモに参加した場合の罰金も引き上げる。AFP通信によると、38ユーロ(約5千円)から135ユーロ(約1万7千円)にするという。(パリ=疋田多揚)


朝日新聞 24日 シャンゼリゼ通りで禁じられたデモ 黄色いベスト消える
 フランスのマクロン政権に反対するジレジョーヌ(黄色いベスト)のデモが23日、パリのシャンゼリゼ通りなどで禁止された。凱旋(がいせん)門があるこの通りは、昨年11月以来、毎週土曜にジレジョーヌが集まってデモを行ってきた象徴的な場所だった。

 仏政府は、16日のデモの際、紛れこんだ暴徒によって店舗が放火や略奪にあったことから、シャンゼリゼ通りでの規制強化を決定パリ警視庁は大統領府周辺など複数の場所でジレジョーヌの出入りを禁止した。同様の措置は南部トゥールーズなど複数の地方都市でもとられた。

 政権はこれまで、地方の交差点付近に陣取るジレジョーヌを退去させるなど、規制の強化を重ねてきた。今月には、当局が危険とみなす人物にデモ参加を禁じることができるデモ規制法を成立させた。

 ジレジョーヌは23日、他の場所で運動を繰り広げ、仏メディアによると先週の3万2千人を上回る4万500人が全土で参加。当局は6万5千人の警察官や憲兵を動員した。(パリ=疋田多揚)

ふーむ。激しい批判を押し切って「デモ規制法」を成立しちゃったようです。

マクロン政権のデモに対する規制強化
 ◯暴徒が確認された場合、デモを解散させる。
 ◯パリ警視庁の警視総監を更迭。
 ◯政府が禁じたデモに参加した場合の罰金を引き上げ。
 ◯23日シャンゼリゼ通りでの黄色ベストデモが禁止
 ◯大統領府周辺など複数の場所でジレジョーヌの出入りを禁止、複数の地方都市でも同様の動き。
 ◯「デモ規制法」→当局が危険とみなす人物にでも参加を禁じることができる。

なんかおかしいね、コレ。
規制すべきは「暴徒」なのに、デモが規制される。
デモに便乗して「暴徒」発生→「暴徒」に便乗してデモ規制....みたいな。

あのフランス革命のフランスでの「デモ規制法」は、ちょっとショックではある。


マクロン政権とアベ政権は、実によく似てる。
アベ政権下では、水面下でいやらしいデモ規制が広がっている。
東京新宿区の複数の公園で、デモの出発点としての使用が禁止された。

田中龍作ジャーナル 2018年6月25日 ロコツに憲法違反 新宿区のデモ規制、8月1日から
 やらせ質問の1週間後(今月20日)に、驚くべき決定がなされた。「デモ出発地としての公園の使用基準」を見直すというのである。条例ではなく部長決裁の内規の見直しだけだ。見直しの内容はこうだ―

 新宿区では「柏木公園」「花園西公園」「新宿中央公園」「西戸山公園」のデモ使用を許可していたが、「新宿中央公園」だけに限って許可する。
 
 憲法21条で保証された「表現の自由」が区役所の部長決裁で制限されることになるのだ。条例ではないので議会で採決する必要はない。

ロコツなのに水面下なのは、メディアが大騒ぎしないからである。
朝日新聞、東京新聞、毎日新聞などが報道はしてはいるけど、大きな話題にはならなかった。

ちなみに、この新宿区長は「日本会議」出身の吉住健一氏。
区長選挙が昨年11月11にあり、吉住氏が再選された。(´_`)トホホ



表現の自由が認められている民主主義国家でのデモ規制は、かなり異常なことです。