蓮池透氏
拉致問題を見続けてきた蓮池透氏。『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を上梓した。/週刊現代より



「拉致問題の解決なしに国交正常化はない」というのが日本政府のスタンスなのですが....

誰も彼もが「拉致問題の解決」って叫ぶんだけど、じゃぁどうなれば「解決」なのか、誰もその中身を言わない。
拉致被害者家族の気持ちはわかる。大切な人が戻って初めて「解決」だろう。
ただ、日本政府はどうなんだという気持ち。

日本政府は「拉致問題の解決なしに国交正常化はない」と交渉窓口を閉じ、 
北朝鮮は 「拉致問題は解決済み」といい、なぁんにもしない。
これではどこまで行っても平行線で、解決しようが無いのは明白でしょー。
国交正常化はしなくても交渉はすべきでしょ。トランプさんだってやってるじゃない(笑)
どうしてこんなに「直接交渉」を嫌がるのか、もー意味分からん。

で、北朝鮮が「拉致問題は解決済み」などと図々しい事を言う背景には、
2002年に小泉首相と金正日の間で取り交わされた「日朝平壌宣言」があります。 

拉致問題は半世紀も引きずってる問題なので、全容についてはwikiにお任せするとして、
ここでは、小泉首相の訪朝とその後を軽く振り返ってみます。


 2002年9月17日、小泉首相が訪朝。日朝首脳会談 → 「日朝平壌宣言」
  この時、金正日は「日本人13人」を拉致したことを認め謝罪。
  このうち生存者は5人とされ、死亡したとされる8人の死亡診断書が提示された。

 2002年10月15日、生存者5人が帰国。
  一時帰国が条件だったが、日本側が北朝鮮へ戻すことを拒否。
  これについて北朝鮮は「約束違反」と主張。その後の交渉は決裂。 

 2004年11月、北朝鮮側が8人の死亡診断書が捏造だったことを日朝実務者協議で認める。

 これ以降も、「拉致被害だ」と主張する案件は増え続け、政府は17人の被害者を認定している。
 その詳しい実態や、日本政府が何をどこまで掴んでいるかなどは謎に包まれた状態である。


で、この「日朝平壌宣言」というのが、そうとうにヘンテコリンなのである。
これが発表された時点では、まだ誰1人として日本に戻ってないのに、
あたかも、拉致問題は解決したかのような前提で書かれているのだ。


「日朝平壌宣言」 http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/09/17sengen.html

 小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。
 両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。

1.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。

 双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。

2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。

 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。

 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。

 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

4.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。

 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。

 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。

 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。

 双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。


「拉致」という言葉すらない。
国民がある日突然連れ去られて、その後の人生を失うような酷い事が「懸案問題」にされちゃってる。
その上、「済んだ事はもう仕方ないから、今後やらないように」という風に読めるんですけど。(-_-メ)
おまけに、日本側の植民地支配のお詫びは盛り込まれてるのに、金正日が拉致を認め謝罪したことは盛り込まれてない。


この宣言のどこをどう読んでも「拉致問題の解決なしに国交正常化なし」とは読めない。
そもそも「拉致」という言葉もないのだから、読みようがない。
逆に「拉致問題は解決した」という風には読めちゃうのですよ。

拉致問題の解決を見ずに、こんな共同宣言をした日本が大バカなんだと他所の国は思うでしょうね。
私もそう思う。


みなさんは、どう思いますか?



---------------------------------------

第2次アベ政権以降は、2015年の「ストックホルム合意」で、北朝鮮側が拉致被害者を再調査すると約束している。
.....ということなのですが、この「ストックホルム合意」にも、いろいろ問題がありそうですよよよよよ。

とにかく、
蓮池透氏は「安倍政権は、拉致被害者を見殺しにしようとしている」という衝撃告白をしちょります。
2016年02月06日(土) 週刊現代 :現代ゲンダイ)