新型コロナの恐ろしさが正しく伝わってないような気がする。
初期段階で楽観的な報道がなされたせいもある。
私も最初の頃は、そこまで警戒しなくて良いのだろうと思ってたけど、そうじゃないのだ。


日本時事新報者 【識者の眼】「新型コロナウイルス感染症はSARSに類似、厳重な警戒が必要」菅谷憲夫
2020年1月になって、中国武漢での2019 Novel Coronavirus(2019-nCoV)の流行が大きな問題となっている。しかし、日本政府の対策は遅れ、国内での人から人への感染が明らかになった時点でも、中国の感染地域からの団体観光旅行を放置したのは、2019-nCoVの感染性、重症度を過小評価したと考えられる。日本では、コロナウイルスの重症感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の患者発生がなく、全く経験のなかったことも原因である。
 
日本のマスコミは、2019-nCoVの重症度は低いと報道してきた。典型的には以下のような報道がされてきた。例えば、「専門家らは、人から人への感染は限られていると指摘し、国内で感染が広がる危険性はほぼないと冷静な対応を求めている」とか、「国内の人は特別な対策は必要ない。手洗いやマスクなど、インフルエンザの予防策を取れば足りると話す」などである(1月20日時事ドットコムニュース)。このような論説が国内で流布したことは、わが国の対策の遅れに影響したと筆者は感じている。国民は、マスコミの断片的な報道に惑わされ、SARSクラスの重症感染症流行の危機的状況にあることを理解しないままに、国内で感染患者が続発している(2月2日現在)。

そもそも肺炎は重症化すると、死に至る病であるという認識があまり無いような気がする。
重症化すると助かっても後遺症が残る可能性が高い。
ナショナル・ジオグラフィックの記事を読むと、とても恐ろしい。
読んでおいた方がいいと思う。

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 2/21 新型コロナウイルスに感染するとこうなる
 SARSの流行後、コロナウイルスによる肺炎は、一般に3つの段階を経て重症化するとWHOは発表した。ウイルスの複製、免疫の過剰反応、そして肺の崩壊だ。

 もちろん、すべての患者がこの3つの段階を経験するわけではない。SARS患者で呼吸器不全まで進んだ例は全体の25%だった。一方、COVID-19の初期データを見ると、約82%の感染者が軽症で済んでいるようだ。
重症化率はSARSより低いようですが、新型コロナはSARSより感染力が強い。そこが怖い。
感染者が無症状のまま出歩いて、感染を広げてしまう。
日本政府の入院するくらいまで重症化しないと検査しない方針は、ほんと間違ってる。

この免疫の過剰反応がマジで恐ろしい。
これは、高齢者、若者の区別なく起きる反応だと思うので。
COVID-19に関する最初期の調査では、患者の多くが両方の肺で肺炎を起こしており、息切れなどの症状を訴えていた。(参考記事:「新型肺炎、武漢から580キロの町が機能不全の実態」)

 そうなると、ウイルスの侵入を察知した体は、肺へ大量の免疫細胞を送り込み、損傷を取り除き、組織の修復に乗り出す。

 これが正常に機能していれば、炎症のプロセスは厳しく管理され、感染した範囲をとどめられる。ところが、まれに免疫系が暴走して、健康な組織も含め、あらゆるものを破壊してしまうことがある。第2段階だ。

 次の第3段階では、肺はさらに損傷し、呼吸器不全に陥る。また、死に至らないまでも、肺に後遺症が残ることもある。WHOによると、SARSの患者は肺にハチの巣状の穴が開いていたというが、新型コロナウイルスの感染者にも同様の病変が報告されている。過剰に反応した免疫系が組織を傷つけるせいで、こうした穴が開くようだ。

 ここまで来ると、人工呼吸器が必要になる。また、酸素を取り込む場所である肺胞と、その周りをめぐる血管の間の膜の透過性が高まって、胸水がにじみ出てたまり、血液に十分な酸素を送れなくなる。

「特に深刻な場合、肺は水でいっぱいになって息ができなくなります。そして、亡くなってしまうのです」と、フリーマン氏は説明する。
重症化しないためには早期発見&早期治療が大切だろうと思う。
サイトカインストーム(免疫系の暴走)は恐ろしい。
 コロナウイルスへの過剰な免疫反応は、体の他の器官にも影響を及ぼす。

 2014年の研究では、MERS患者の92%に、肺以外の場所でコロナウイルスの症状が認められた。実際、SARS、MERS、COVID-19のいずれにおいても、肝酵素値の上昇、白血球や血小板数の減少、血圧の低下など、全身的な症状が見られた患者がいた。少数だが、急性腎障害や心不全を起こした例もあった。

 しかし、これは必ずしもウイルス自体が全身に広がったという意味ではない。米コロンビア大学メイルマン公衆衛生学部のウイルス学者であるアンジェラ・ラスムセン氏は、「サイトカインストーム(免疫の暴走)」が起こった可能性を指摘する。

テレビはこういうことは言わない。
パニックになるのが怖いのかもしれない。
重症化率は低いのだから、何より感染を広げないことですね。
そのためには検査の拡大が必要。

検査を拡大することは、
 ・重症化を防ぐ
 ・無症状者による感染拡大を防ぐ
2つの意味で必要だと思う。
医療崩壊を招かないためにも、どんどん検査するべきなのです。

早く、インフルエンザと同じように検査できるようにして欲しいもんだ。
検査を拡充せずにいきなり「一斉休校」というのは、順番が完全に間違っている。
それでも休校しないよりは、した方がいいのかもしれないけど。
検査をしないせいで、どこに感染者が潜んでいるか分からないので。
無症状のままの人もいるということなのですよ。



他にもナショジオの記事は興味深い。

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